知っておくべきカラーリング剤の危険性とその対処法

カラーリング剤の中には、私たちの体に深刻なダメージを与える危険性が指摘されているものがあります。今回は、知っておくべきカラーリング剤の危険性とその対処法について解説します。

カラーリングの種類と特徴

カラーリングは大きく、ヘアマニキュア(半永久染毛剤)、ヘアカラー(永久染毛剤)、ブリーチ(脱色剤)の3種類に分けられます。ヘアマニキュアは髪表面のキューティクルを染色し、ヘアカラーは髪の内側のコルテックスを染色、そしてブリーチはコルテックスのメラニン色素を分解して髪を明るくします。髪の内側のコルテックスに薬剤が浸透するヘアカラーとブリーチは、ヘアアイロンの熱やブラッシングの摩擦の影響を受けやすく、特に髪へのダメージが大きくなりがちです。

カラーリング剤の中で最も危険な成分とは?

この3種類の中で、最も危険性が指摘されている成分は、ヘアカラーに使われている酸化染毛剤の一種、パラフェニレンジアミン。このパラフェニレンジアミンは、重篤なアレルギー反応のアナフィラキシーを起こす可能性があると言われる成分です。

アナフィラキシーとは、頭皮のかぶれ・炎症・湿疹などの皮膚症状や、呼吸困難などの呼吸器系の症状が、短い時間で一気にあらわれることを意味します。それまで大丈夫だったとしても、何度かカラーリングをくり返すうちにアレルギー反応が突然起こりうることもありますので、注意が必要です。

また、ヘアマニキュアに含まれるタール色素も危険性が高い成分として挙げられます。これは旧厚生省が定めた表示指定成分の1つで、発がん性が疑われている成分です。

最後に、ブリーチ剤に含まれる過硫酸塩も危険性が高いです。この成分は、頭皮のかぶれや喘息などを引き起こす可能性があると言われています。

カラーリング剤の危険性を対処する4つのポイント

では、上述のようなカラーリング剤の危険性に対して、どのように対処していけばいいのでしょうか。以下で、自分でできる対処法についてまとめています。

1.生理前のカラーリングは避けましょう

女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で、生理前は肌が敏感になります。カラーリング剤に反応してしまう可能性もありますから、生理前の時期はできればカラーリングは避けた方が無難です。

2.セルフカラーよりも美容室でカラーリングをしましょう

美容室では、新たに伸びてきた根本部分はしっかり染まるよう強めのカラーリング剤を、既に染まっている部分は髪が傷まないよう弱めのカラーリング剤を使うなど、個々の髪質に合わせたカラーリングを行っています。

セルフカラーではこの薬剤の使い分けができないので、既に染まっている部分にも強いカラーリング剤を使うことになり、どんどん髪のダメージが進行してしまいます。強すぎる薬剤は、アレルギー反応を起こす引き金にもなりますので、できればヘアサロンでカラーリングをすることをおすすめします。

3.セルフカラーを行う場合は一工夫を

セルフカラーを行う場合は、髪と頭皮への負担を最小限に抑える工夫が重要です。

  • ・あらかじめ二の腕などでパッチテストを行い自分の肌に変化が起きないかどうか確認しましょう。
  • ・カラーリング剤を使う前に、髪の生え際やうなじなど、カラーリング剤がついてしまいそうな部分にワセリンなどのクリームを塗り、肌を保護しておきましょう。
  • ・髪の根本部分だけをカラーリングするなどカラーリング剤をつける部分を限定して、毛先のダメージを防ぎましょう。

4.カラーリングの頻度を減らしましょう

アナフィラキシーは、繰り返しカラーリング剤を使うことで起こりやすくなると言われています。一生起こらない方もいますので個人差もあるのですが、危険性を減らすという意味ではカラーリングの頻度を減らすことが重要です。

毎月カラーリングをしているという方は、できれば3ヶ月に1度くらいのペースまで落としていくといいでしょう。

カラーリング剤の危険性をできるだけ防ぐ工夫をしながら、健やかな髪を維持していきましょう!