髪に優しい?ノンシリコントリートメントの真実

「シリコンが髪や頭皮に悪いらしい」「ノンシリコンのシャンプーやトリートメントが良いらしい」そんな噂を最近よく耳にします。しかし、シリコンとはそもそもどんなもので、なぜシリコンが配合されているかを理解している方は少ないようです。ノンシリコンであれば、本当に髪の毛に優しいのでしょうか?

そもそもシリコンとは?

シャンプーやリンス(コンディショナー)、トリートメント剤の多くに、髪をサラサラにして指通りをよくするための「コーディング成分」が配合されています。洗い上がりが良いため、これが何か悪いものだと感じる人は少ないはず。そして「シリコン」も、コーティング剤の一種なのです。

コーティング成分とはその名の通り、髪の毛1本1本を包み込んでしまうもの。その効果が強力過ぎると、栄養成分がうまく届かないなどして髪がやせ細る原因にも。また、頭皮に残留しますと、皮膚呼吸を妨げますので、髪の代謝にも悪影響と指摘される場合があります。

ノンシリコンならば安心?

それでは、シリコンが入っていないシャンプーやリンス(コンディショナー)、トリートメントを選べば良いのでしょうか?実はそうとも言い切れないのです。

ノンシリコンであれば、髪への悪影響はないように感じます。しかし、コーティング成分はシリコンだけではありません。いくらシリコンが全く配合されていなくても、その分別のコーティング成分が含まれていれば、結果は全く変わりません。

シリコンよりもヘアケアの順番が大切

コーティング剤は髪の毛を包み込んでコーティングすると言いましたが、実はこれによって「髪の毛の水分や栄養分が流出することを防止する」のですね。そして、当然髪の毛の指通りも良くなりますから、ブラッシングやスタイリング時の「切れ毛防止」にもなります。

実は、皆さんが心配されているようにシリコンそのものに害があるわけではなく、「栄養や水分が足りていない状態で髪の毛がコーティングされる」ことが問題なのです。

こうした問題は、週に1~2回ほど「リンス(コンディショナー)の前にトリートメントを行う」ことで簡単に解決できます。むしろ、トリートメントの有効成分を、シリコンなどのコーティング成分でしっかり保てますから、大変効果的と言えるでしょう。心配すべきはむしろ、シリコンの有無ではなく、ヘアケアの順番であるということができます。